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INUDEPENDENT

INUUNITED(いぬゆな)がサッカー以外の話をする場所です

”TSUTAYA併設のスタバ”という、お腹の弱い人間にとっての誘蛾灯

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つい先ほどの話だ。僕はギリギリのところで生死の切れ目を飛び越えた。

 

僕のような底辺自称フリーランスライター的な人間は、自宅に居場所がないためこぞってスターバックスに集う。夏の夜のコンビニ、入り口でバチバチ言いながら死んでいく虫たち。あの虫自動抹殺装置の名前は誘蛾灯っちゅーらしいけど、あんな感じだ。僕らはみんな、スタバに引き寄せられ、スタバで死んでいく。

それはもちろん悪質な例え話だけど、僕は本当にスタバで社会的に死にかけた。

 

 

そう、腹痛だ。 

いつも通りほうじ茶ティーラテのトールサイズを注文し、意気揚々と席を確保。カフェで扱うにはいささか大きなサイズのノートPCを取り出す。

 

それが、僕が平穏を感じていられる最後の瞬間だった。「助けてくれーーーっ!!!」自分自身の内なる声。ゼロから一気に∞へ。腹痛のふの字もなかったのに、一瞬にして僕は、要救護者となった。 

 

 

”ここで少しでも粘ろう。しばらくじっとしていれば、治まるかもしれないじゃあないか……”なんて思ったら、それは死を意味する。1秒たりとも無駄にはできない。このスタバには、トイレはたった一つしかないのだから。

 

 

財布とiPhoneだけを手に取り、一目散にトイレへ。何人も並んでいたら確実に終わりだ。できれば空いてますように、空いてますように……信じてもいない神に祈りながら、可能な限り速く歩く。それでいて、腸への振動は最小限に抑えなければいけない。文字通り「一歩間違えば」破滅だ。

 

 

トイレは、誰も並んでいなかったが、使用中だった。

 

 

 

 

確実な死が近づいている。全身の汗腺が躍動し、冷や汗が止まらない。終わりだ。死ぬんだ。今日ここで、自分は死ぬ。

 

覚悟を決めなければいけないと思った瞬間、水を流す音が聴こえた。

 

出る……!!いや、自分がではなく、中の人が。

この人か用を足し終わったとして、手を洗って出てくるまでなら、耐えられる。

僥倖……!!どの神とも知れない神(トイレの神様、ってやつだろうか。トイレ掃除を欠かさなければ僕もべっぴんさんになれるだろうか)に感謝しながら、前任者と入れ違いにトイレへ飛び込む。心の中で「お疲れ様でした」とつぶやく。

 

 

かくして、僕はギリギリのところで命を繋ぎ止めた。生きていてよかった。生きていてよかった。生きていてよかった……

 

 

 

僕がトイレを出たとき、きっと先ほどまでの僕と同じような状態であろう少年がそこにいた。できるだけ早く済ませるように頑張ったつもりだが、心の中で「待たせてごめんね」とつぶやく。

 

その後ろに並んでいた女性2人には、「頑張ってください」とエールを送った。あくまでも心の中で。

 

TSUTAYA×スタバ×青木まりこ現象の恐怖

さて、みなさんは青木まりこ現象というものをご存知だろうか。簡単にいうと本屋に行くと腹が痛くなる現象のことだ。この現象について、はじめて公に言及した方の名前からこう呼ばれている。

 

僕はまさに青木まりこ現象の患者だ。(この現象に科学的根拠は全くないらしいが、患者と自称させてもらう)本屋に行くと、プロ野球選手の打率なら新記録樹立ってくらいの確率で腹痛になる。なんなら、本屋に向かっている道すがら腹痛になる。もっと言えば、本屋に行こうと思うだけでなる。

 

「自分はスタバに行く」---そう思っていた僕の大いなる勘違いが、今日死にかけた原因だ。僕はTSUTAYA併設のスタバに行ったのだ。併設と言っても主体はTSUTAYA、つまり本屋だ。TSUTAYA併設のスタバとは、本屋に囲まれたスタバであり、青木まりこ現象の射程距離内に位置するッ!!

 

僕は、青木まりこ現象の患者にも関わらず、本屋の中で、ほうじ茶ティーラテトールサイズを飲もうとしたのだ。とんでもない愚か者としか言いようがない。誘蛾灯に群がる虫のように、何も考えず死地に飛び込んでいったのだ。

 

 

昨今、本屋の売り物を買わずに持って入り、読みながらお茶を飲めるカフェが流行っている。そのシステム自体は素晴らしいものだ。普通より余計に本が売れたり茶が売れたりするのだろう。

しかし、我々青木まりこ現象の患者にとっては、細心の注意を払って利用しなければいけない施設なのだ。トイレの数が豊富ならまだいい。トイレがたった一つしかない本屋inカフェなど、我々にとっては危険すぎる場所だ。

店に行く前に下痢止めを飲め。入ったら真っ先にトイレの場所と数をチェックしろ。トイレに近い席を陣取れ。そこからトイレが見えるなら、混雑具合に気を払え。もし列ができるようなら、便意がなくても並べ。

 

自分の番が来る頃には、きっと君の腹は、耐えられないくらい痛くなっているはずだから……

 

(所要時間30分・スタバを出た後、某駅のトイレにて執筆)